赤い狼と黒い兎



じとりと青夜を睨めんでも、スルーだ。

あたしは空気か。



「…守るつもりですよ」

『な、ふがっ!』



加奈子に口を押さえられ、喋れなくさせられた。

オイ、お前ら後で覚えとけ……。



「守る、か。」

「はい」

「こいつじっとしてねぇぞ?チョロチョロと動くし、危なっかしい…」

「知ってます」



…おーい、チョロチョロってなんだチョロチョロって。

しかも「知ってます」て…。

潰していい?



「そうか。…ならまぁ頑張れや」

「そのつもりですけどね」



青夜はふっと笑みを見せるとすぐに真剣な顔に戻した。



「これは俺の推測だが」

『?』



ゴツゴツとした長い指を組み、じっとあたしを見つめる青夜。

加奈子はそっとあたしから手を離す。