赤い狼と黒い兎



「黒狼自ら出てくるとは……」



ククク、と喉で笑いあたしたちを見回した。



「朱雀と同盟を組んだと聞いていたが、本当だとはな」

『……用はそれだけか』



蛇烙の総長であろう男を睨んでそう言った。



「用?用ならちゃんとありますよ」



ニヤリと笑い、下っぱの連中が鉄バットやらナイフやら取り出した。



「あ〜相変わらずその手段か」

「勝てねぇクセに」

『……てめぇらと戦う気はねぇ。失せな』

「おっと。そっちに用がなくても、こっちにはあるんだよ」



口の端をペロリと舐め、気持ちの悪い顔であたしを見る。



「ま、お前らが生きてたら言ってやるよッ!!」



それを合図に下っぱ共が一斉に走って来る。

春架たちがあたしの前に立ち、その前にチームのみんなが立つ。