赤い狼と黒い兎



何でだよって……。



『お前理事長じゃん』

《関係ねーじゃん。つーか、元はお前が白昼堂々あのバイクで来るからだろーが》

『……だって、めんどい』

《めんどいじゃねーよ、バカチン。マジでどーすんの》

『あ〜?』



すると、無数のバイク音が聞こえて来た。



「…聞き慣れねぇ音だな」

「どこのチームだ?」



みんながぞろぞろと窓に寄って行く。

……もう早速お出ましかよ…。



《ホラ、もう来たよ…。》

『お前、言うの遅ぇ…』

《あ〜?仕事の合間縫って連絡してやったのにか〜〜?》



チッ…うぜぇ奴。



『あーハイハイ。どうもアリガトウゴザイマシタ』

《すげー片言…》

『うるせーな。…片してやるから問題ねぇだろ』



青夜は電話越しに笑い、「1人残せよ」と言った。