赤い狼と黒い兎



飲んだくれの遊び人。

あたしの言葉に嘘偽りはない。



「飲んだくれだと〜?言うようになったなぁ」

『事実』

「っかぁ〜!ますます可愛げがねぇなぁ!」

『うっせ』

「いやはや、どこで育て方を間違えたよ?瑠衣」

「んー?俺は普通に育てたつもりだぜ?」

「これが普通かよっ?」



ぎゃはははっ、豪快に笑う嶽にムカついて蹴りを入れた。



「イッッテ!?」

『悪かったな!可愛げがなくてッ!!』

「そーゆうとこが可愛げねーっつの!」

『うっせ〜!飲んだくれのクセに!!』

「それは関係ねぇよ!」



ゲラゲラと笑う嶽。

それにつられて笑う瑠衣。

1人むすっとするあたし。

…端から見たら異様な光景だろうに。