赤い狼と黒い兎



「…面倒だから?」

『要はバカという事か。』



よかったよ、そんな返事が返ってきて。

まともな考えだったらどうしようってちょっと焦った。



「な、バカじゃねぇよ!!」

『考え無しに突っ込んだって返り討ちにされるだけだ』

「うぐ…」

『それに、お前が考えてる程アイツは弱くない。…肉体的には弱いが』

「で、でもよぉ…。作戦が成功するって保証もねぇだろ?」

『ああ、ないね』



ふっと鼻で笑い、バイクのエンジンをかけた。



ブォンブォン…

『けど、作戦がある時ない時の状況を考えてもみろ。どちらが有利かを…』

「……」



メットを被り、もう一度唯兎を見ればわかったような顔をしていた。



『わかったら行くぞ』

「あっ!待てよっ」



ブォンブォン!
ブロロロロ…