『だから、両方買って来て。ついでライターも』

「いつものジッポは?」

『兄貴にパクられた』



そう言えば苦笑いする麻友美。

春架は何故かけらけらと笑ってお腹を抱えていた。



「あたしのジッポ貸そうか?」

『いいよ。そこまで拘ってないし』

「そ?他は?琉樹さん、朔弥さん」

「え〜…」

「俺はいいよ」



にこりと笑いかける朔弥に麻友美「琉樹は?」と急かしていた。



「お菓子!チョコ系を頼む」

「…相変わらず好きね」

「まぁな!」

「じゃ、行って来るねー」

『あ』



あたしはそう呟いて一旦眼鏡を外した。



「何?馨」

『一応念のためだ、唯兎、龍希ついてけ』

「おーっす」

「え〜?大丈夫だって!あたしがいんだから!」

『余計心配だバカ』



また欠伸をひとつこぼし、眼鏡をかけた。



『念のためっつったろ。今どういう状況か、無い脳ミソ振り絞って考えろ』

「なっ、無くはないぞ!一応あるぞ!」

『つーことで、麻友美。春架が事故らねぇよう見てな』

「りょーかいっす。ほら行くよ」

「くそ〜…」