「先輩!今日マイクロシティのライブがあるんですけど行きません!?」
「えっ?ライブ?」
あいつの……ライブかぁ。
「行きましょ!ねっねっ」
私の腕を引っ張りなんとも甘い声で言う。
「……うーん。」
そう言えば久しぶりに、あいつの唄を聴いてみたいかも。
「うん!じゃー行こう。」
「そうこなくっちゃ!」
私と若菜ちゃんは6時きっかりに仕事を終え、そのままライブハウスへ向かった。
すると会社を出た所で偶然、弘人と水原紗枝を見かけた。
楽しそうに腕を組んで歩いている。
二人が付き合っている事は社内でも噂になっていた。
二人はこっちに気付く様子もなくそのままタクシーに乗り込んで、夜の街に消えて行った。
「………せん…ぱい?」
若菜ちゃんが心配そうに私の顔を覗き込む。
本当は全然平気じゃない。
二人の姿を見ただけで心臓がズキズキする。
“本当に騙されてたの?”
“少しは好きでいてくれた?”
“これは悪い夢なんじゃないかな……。”
なんて、往生際の悪い自分がいるのも否定できない。
自分でも情けないよ。
前を向いているつもりが、ほんの些細な事をきっかけにすぐ過去を振り返っては立ち止まってしまう。
私はなんて心の弱い人間なんだ。
「…さっ!間に合わないよ、急ごう!」
無理に笑って若菜ちゃんの手を引っ張って歩いた。
この胸が焼け付くような苦しみから開放される日は
くるのかな……。
「えっ?ライブ?」
あいつの……ライブかぁ。
「行きましょ!ねっねっ」
私の腕を引っ張りなんとも甘い声で言う。
「……うーん。」
そう言えば久しぶりに、あいつの唄を聴いてみたいかも。
「うん!じゃー行こう。」
「そうこなくっちゃ!」
私と若菜ちゃんは6時きっかりに仕事を終え、そのままライブハウスへ向かった。
すると会社を出た所で偶然、弘人と水原紗枝を見かけた。
楽しそうに腕を組んで歩いている。
二人が付き合っている事は社内でも噂になっていた。
二人はこっちに気付く様子もなくそのままタクシーに乗り込んで、夜の街に消えて行った。
「………せん…ぱい?」
若菜ちゃんが心配そうに私の顔を覗き込む。
本当は全然平気じゃない。
二人の姿を見ただけで心臓がズキズキする。
“本当に騙されてたの?”
“少しは好きでいてくれた?”
“これは悪い夢なんじゃないかな……。”
なんて、往生際の悪い自分がいるのも否定できない。
自分でも情けないよ。
前を向いているつもりが、ほんの些細な事をきっかけにすぐ過去を振り返っては立ち止まってしまう。
私はなんて心の弱い人間なんだ。
「…さっ!間に合わないよ、急ごう!」
無理に笑って若菜ちゃんの手を引っ張って歩いた。
この胸が焼け付くような苦しみから開放される日は
くるのかな……。