そして迎えた25歳の誕生日――



朝、目を覚ますとカーテンを全開にして差し込む太陽の光を体全部で受け止めた。



天気も良好!!



体調絶好調!!



ハァー気持ちがいい!!



私のテンションは朝からMAXに達していた。



だってやっと仁に会えるんだもんっ!!



仕事終わりってのがちょっと残念だけど……



仕方ないか!!



バタバタと出勤の準備をしている私の脇でメールが鳴る。



《From  仁》



《7時に仕事が終わるからそれから会社の前まで迎えに行く。》



“ウーッヤッター!!”



携帯を握り締めたまま大きく上へジャンプした。


頭上の時計を確認。



はぁー後、12時間がものすごーく長く感じる。



メイクをしながらもう一度時計を確認。



まだ5分しか経ってない。


電車に揺られながら滅多にしない腕時計を確認。



後11時間か―…



“♪~…”



無意識に鼻歌を奏でる。



なんならスキップまでしてしまいそうな勢いだった。


会社のロビーを軽快に歩いていると、後ろから声をかけられた。



「随分とごきげんやな。」


ドキッ…



聞き慣れた声に振り返ると、肩に通勤カバンを担いだ桜井君が立っていた。



「あっ…おはよっ!」



「なんか、いい事あった?」



「えっ…!?」



ガラーッと開かれたエレベーターに乗りながら、隣の私の嬉しそうな顔を覗き込んでいる。



「ハハッ先輩、ほんまにわかりやすいなっ!」



「へっへへ…」



照れ笑いで頭を掻いた。