翌朝、会社へ行くと案の定オフィスはジンの記事の話しで持ち切りだった。



パソコンをいじりつつ、話しに耳を傾けた。



“今朝の芸能ニュースで言ってたけど、なんか事務所に反対されたとかで無理矢理別れさせられたんだってー。”



えっ…なんでそんな事まで!?



“えー、何それ!ロミオとジュリエットみたいじゃーん。”



そんないいもんかっ!



“前に柏木さくらと噂になってたのも、事務所が彼女と別れさせたいからって仕組んだ事だったらしいよ~”



えぇ!?



なんで知って……



恐るべし、マスメディア。


“へぇーなんか、でもジンって遊んでそうなのに意外に一途なんだねー。”



“好感度上がるよねー”




何故か、顔を赤くする私…


“チャラララ…”



んっ、メールだ。



受信箱を開いてみると、真っ正面の桜井君からだった。



《またえらい事になってるやん…大丈夫なん?》



また心配かけちゃってるな……



ちらっと正面の心配そうな桜井君に笑顔を向けた。



《大丈夫大丈夫!その内おさまるよ。》



もう、彼にこれ以上迷惑かけるわけにはいかない。



別れてからも笑顔でいる事が私にできる彼への恩返しだから。



来る日も来る日も世間はその話しで持ち切りだった。


晶子からも心配の電話があった。



仁は今、どんな心境なんだろう。



それが一番気掛かりだ。