――日曜日



“チャラララ…♪”



桜井君からのメールが鳴る。


《下に着いたで!》


よしっ!


気合いを入れてバッグを手に玄関へ向かう。



下駄箱の上の鏡で髪形をチェック



滅多にしないアップをしてみた。



うん、決まってる!



シルバーの新しいパンプスを足に履き、玄関のドアを開けた。



顔を背ける程眩しい太陽の光がサンサンと降り注いでいる。



手をかざして見上げた真夏の空は青く、羊雲ができていた。


“コンコンッ”



車の窓をノックした。



すると、夢中でオーディオをいじっていた桜井君が私に気付きニタッと笑顔を見せた。



そのまま彼は助手席の方を親指で指差し“乗って!”と私に合図した。



私は少し小走りで車の前を横切り、助手席に乗り込んだ。



「お邪魔しまぁ~す!」



「おはよ~!なんかいつもと感じ違うやん!」



いち早く私の変化にも気付いてくれる。



「うん、ちょっと今日はアップにしてみた!」



「似合うやん、可愛いで!」



“どきんっ”



桜井君のストレートな発言に私の顔は真っ赤になった。



「よっしゃー、ほんならしゅっぱーつ!」



エンジン全開!!



快晴の空の下、私達を乗せた車は走り出した。