‐龍は羽ばたく‐





その微笑みにさらにドキドキするなんて私、重症だなぁ

と花音は顔を真っ赤にしながら思う











駅から程近い場所にあるデパートの映画館は休日なのもあり人がごった返していた


「うわぁ………人多いね」


「日曜日だもんね。あ、花音ちゃん何が観たいの?」


花音は今やっている映画のポスターを見る



うーん………


「あっ、これがいいかも!!」


そのポスターを指で指す


龍はクス、と笑った


「……龍君、わんちゃん嫌い?」


花音が観たいと言ったのは 僕とラッキー という犬の映画


不安そうな花音の頭をぽんぽん、と笑いながら撫でる