少しして、担任の川っち(川岡)がその噂の転校生を連れて、教室へ入ってきた。

「きゃーカッコイー!!」

「ちょーイケメンじゃん!!!」

クラスのみんなは、口々に言っていた。

あたしは、ほんの少しも見ていなかった。

ずっと外を眺めていたから。

「転校生の崎田晴(Sakita Haru)君だ。」

え...?

今、川っちなんて言った?

”崎田晴”って...。

もしかして、あの崎田晴?

いやいや、そんなはずない。

引っ越したって言ってたし。

いや、でも、もしかして...

教卓のほうへ顔を向けると、そこに居たのは間違いなく...

あの”崎田晴”だった...。