「ヒロくん...。」

声をかけてきたのは、ヒロくんだった。

「どうしたの?」

「・・・。」

あたしは、何も言えなかった。

「とりあえず、座ろう?」

公園のベンチに座った。

「姫佳チャン、何があったの?」

「今日、彼氏とデートだったんだ。
でも、途中で逃げてきちゃった。」

「何で?」

「先パイの元カノに会ったんだ。
しかも、その元カノって奈乃チャンだったみたい。」

「えっ?奈乃花が姫佳チャンの彼氏の元カノ?」

「うん...。」

ヒロくんに話したことで、少し冷静さを取り戻した。

ヒロくんは、震えるあたしの肩を、ただ支えてくれていた。