Sugarless -君だけがいた時間-


食事というのは、なんていやらしい行為だろう、と初めて思った。

生牡蠣の官能的な味に、舌が震えた。

おしゃべりの合間に視線を絡ませ、そして目をそらす瞬間の甘い寂しさに酔った。

赤ワインが、私に溶けてゆくのが分かった。



ひと通り食事を終えると、私たちは二件目に移動した。

細い路地を進んだところにある小さなバーで、暗い店内にキャンドルの灯りが揺らめいている。