私はその会話を気にしていないふりをして、ギャラリーに飾られた写真たちに意識を集中した。 ふと、視線を感じて顔を上げると、ワンピースを着たひとりの女が私をにらんでいた。 たぶんこの女も楓の大学仲間だろう。そして、楓のことが好きなんだろう。 女はやたら胸が大きくて、私は楓が巨乳嫌いだということを知っていたから、なんだかすごく愉快な気持ちになった。 かわいそうな女。あんたじゃ、楓には愛されない。 愛されないんだよ。 「早紀」 楓の声がして、私は笑顔をまとった。