ホテルのベッドの上で、両手を縛ってほしいとお願いしたら、男は戸惑いながらもタオルを私の腕に巻きつけた。

私は拘束された自分の両手を見て、あの夢の牢獄を思い出し、あの鎖の冷たさを思い出し、そしてあの唇の熱さを思い出した。


夢とかリアルとか幻想とか全部ごちゃまぜになればいい。

絡みきって、溶けきって、区別がつかなくなればいい。



男は縛った私の腕を「痛くない?」と気遣いながらも、やがて本能に負けて、汗を降らせた。

体とシーツの擦れあう音を聞きながら、腕を結ぶタオルが次第に弱くなっていくのを私は感じた。

そしてそれはゆるゆると、この手首からほどけていった。