楓がレストランの扉を開く。楽しげな笑い声が店内から響き、オリーブオイルの匂いをかすかに感じた。 そして私は、窓際の、奥の方の席に その姿を見つけた。 「早紀! 久しぶり」 大きく手をふって私に呼びかけた、その女を見て、私は一瞬表情を失った。