「早紀、来て」


カーテンの向こうから私を呼ぶ声。アルバム整理の手を止めて、私は暗室の中にそろりと入る。

そこにはたった今現像したばかりのモノクロ写真が、何枚も吊られている。


「どう? 俺的にはけっこう自信作なんだけど」

「いいんじゃない」


私はそう言って、ほら、このアングルなんか絶妙よ、と付け足した。