私が固まっていると、朝子は付き合うことになった経緯を、テレくさそうに話し始めた。
陸上のー
県大会にー
楓が応援に来てくれてー
それがすっごくー
嬉しくてー
とか何とか。
そんなことは別に聞きたくない。それより、もうヤッたの? そっちが気になる。
朝子は話し終えると、肩の荷が下りたようなスッキリした表情で「じゃあ部活行ってくるね」と去っていった。
残された私と楓は、なんとなく沈黙したまま、写真部の部室に向かった。
部室に置いてある楓のアルバムには、校庭を走る朝子の姿が、圧倒的にたくさん収められていた。
どうして今まで気付かなかったんだろう。
彼は、こんなにも朝子を見ていたのに。



