その翌日、わたしは緊張しながらドアの取っ手に手をかけていた。
ドア越しに教室の中が騒いでいることが分かった。
期待などしていなかった。
中学に入学するときのように、昔よりもいい未来が待っていますようになんて考えてもいなかった。
わたしの体も、心も、もうすでに自分の手でめちゃくちゃにしてしまったのだから。
わたしは取っ手をスライドさせた。
騒がしかった教室がいきなり静まり、わたしの呼吸だけが妙に目立った。
わたしは深呼吸をすると、教室への一歩を踏み出した。
そのときだった。
耳を劈くような大きな音が聞こえたと思ったら、紙テープと紙吹雪がわたしを襲う。
驚いて反射的に目を瞑った。
さっきまでぐちゃぐちゃと色々なことを考えていた頭が驚きで一瞬だけ真っ白になる。
「ようこそ! 三年四組の教室へ!」
明るい声。周りを舞う紙テープと紙吹雪。
目の前に広がるのは、クラッカーをそれぞれ持った楽しそうな三年四組生徒。
そんな彼らに、なぜだかわたしは涙が込みあがってきた。
いじめられても、お母さんが死んでも、本当に孤独になっても、今まで一度も出たことのない涙。
どうしてか知らないけれど、初対面の彼らにわたしたちは途轍もない安堵感を覚え、その場に泣き崩れた。
ドア越しに教室の中が騒いでいることが分かった。
期待などしていなかった。
中学に入学するときのように、昔よりもいい未来が待っていますようになんて考えてもいなかった。
わたしの体も、心も、もうすでに自分の手でめちゃくちゃにしてしまったのだから。
わたしは取っ手をスライドさせた。
騒がしかった教室がいきなり静まり、わたしの呼吸だけが妙に目立った。
わたしは深呼吸をすると、教室への一歩を踏み出した。
そのときだった。
耳を劈くような大きな音が聞こえたと思ったら、紙テープと紙吹雪がわたしを襲う。
驚いて反射的に目を瞑った。
さっきまでぐちゃぐちゃと色々なことを考えていた頭が驚きで一瞬だけ真っ白になる。
「ようこそ! 三年四組の教室へ!」
明るい声。周りを舞う紙テープと紙吹雪。
目の前に広がるのは、クラッカーをそれぞれ持った楽しそうな三年四組生徒。
そんな彼らに、なぜだかわたしは涙が込みあがってきた。
いじめられても、お母さんが死んでも、本当に孤独になっても、今まで一度も出たことのない涙。
どうしてか知らないけれど、初対面の彼らにわたしたちは途轍もない安堵感を覚え、その場に泣き崩れた。


