がちゃりという金属音がして、体育館に響いていた雑音が消え去った。
みんなが音のした方向――間仕切りを見つめていた。
音のない世界。焦げてしまいそうな熱い視線。
「おかしいですね」
間仕切りがからからと軽快な音を立てて動いた。
そこから現れたのは不思議そうな顔をして首を傾げる杉村。
わたしたちは、先生はどこかと必死で視線を杉村の周辺に泳がせる。
先生の足が、杉村の後ろの方で確認された。
だけど足は微動だにしない。
そんな先生の様子に、わたしは必死で弁解する。
大丈夫だよ。先生はちゃんと生きているよ。
杉村はその薬が失敗作だったらどうにかなってしまうと言っていたもの。
仮にも科学者なんだから、失敗作をそう容易く作るわけない。
そこでやっとわたしたちの存在に気付いたのか、杉村の瞳がこちらを向いた。
わたしたちは強がってその瞳を強い意志で見返す。
「せ、先生は?」
桧野が振り絞ったような声で杉村に聞いた。
さっきのような軽い口調ではない。
きっとこの場の恐怖を知ったからであろう。
みんなが音のした方向――間仕切りを見つめていた。
音のない世界。焦げてしまいそうな熱い視線。
「おかしいですね」
間仕切りがからからと軽快な音を立てて動いた。
そこから現れたのは不思議そうな顔をして首を傾げる杉村。
わたしたちは、先生はどこかと必死で視線を杉村の周辺に泳がせる。
先生の足が、杉村の後ろの方で確認された。
だけど足は微動だにしない。
そんな先生の様子に、わたしは必死で弁解する。
大丈夫だよ。先生はちゃんと生きているよ。
杉村はその薬が失敗作だったらどうにかなってしまうと言っていたもの。
仮にも科学者なんだから、失敗作をそう容易く作るわけない。
そこでやっとわたしたちの存在に気付いたのか、杉村の瞳がこちらを向いた。
わたしたちは強がってその瞳を強い意志で見返す。
「せ、先生は?」
桧野が振り絞ったような声で杉村に聞いた。
さっきのような軽い口調ではない。
きっとこの場の恐怖を知ったからであろう。


