ある一つの研究室。
一つのモニターを覗き込んでいた男の表情が険しいものになった。


「患者の血圧が急上昇していますが、いかがしましょう」
「は、博士、呼吸が停止しました!」


男の焦りは周りの輩にも伝わり、研究室はパニックに陥った。

ばしん。
そんな中、博士と呼ばれた男が机を思い切り叩いた。
焦りや怒り、そんなものがその男の目に見え隠れしていた。


「なんてことだ! 成功したものだと思い込んでいたのに!」


力尽きたのだろうか、博士はへなへなとその場に座り込んでしまった。
そんな博士を見て、若い男が悲しそうに呟いた。


「これで何度目のチャレンジでしょうかね……」