「みんな、死んだんだよ……? わたし以外の、三年四組の、みんなが!」
「なに、それ……? わたし、聞いてないわよ、そんなの」
「殺されたの! わたしは運よく助かったけど、みんな殺されちゃったの!」

感情が、おさえられなかった。

あいつらはみんなの死を無駄死にするつもりなの?
そんなの駄目だよ。
ちゃんとみんながどういう目に合ったかってことを、世間にも知ってもらいたい。

そうじゃないと、みんなが救われない。

「ちょっと待って、更沙ちゃん。わたし、学校とかに電話をかけてみるわ」

一度は焦った叔母さんだが、さすが大人。
すぐに冷静を取り戻し、リビングへ走っていった。

一人残されたわたしは仕方なく靴を脱ぎ、よろよろとリビングにあるソファにダイブした。
クッションの匂いが、心のとげを抜いてくれるようだった。
思い切り懐かしい匂いを吸い込み、ふはぁと汚いものを全て吐き出すかのように息をはいた。