ここはどこ?
あのバラックの中じゃない。

ぼんやりとしていた思考が、一気に冴える。

みんなはどこ?
どうなったの?

わたしは、どうなってしまったの。

「生きてる……?」

体が、痛い。
喋るたびに喉がひりひりする。
目の前にある光がまぶしい。

ああ、もしかして、わたし。

「わたし……生きてるの?」

何かを感じるのは生きている証拠。
痛いのだって、苦しいのだって、それを味わえるのは生きているときだけ。

杉村がゆっくり振り向いて、微笑んだ。

「ええ、ちゃんと生きていますよ」