目を覚ますと、そこにはにっこりと笑う杉村の姿があった。

「おはようございます。柳川さん」

白衣に身を包んだ杉村は、わたしの頭を撫でた。
それはわたしを安心させるためにやったのかもしれないが、わたしはますます不安にかられた。
というかこんな親父に頭を撫でてもらって嬉しい女の子がいるわけない。

「体が、痛い……」

杉村から逃れようと身を捩ると、全身に激痛が走った。
舌足らずな口調で杉村に伝えると、大丈夫ですよと杉村が微笑んだ。

「鎮痛剤をうちましたから、もう少ししたら楽になるはずです。それまでは動かずに安静にしていてくださいね」

杉村はそう言うと、杉村は立ち上がり、わたしに背を向けて歩き始めた。
ふと周囲を見渡すと、そこはわたしの知らない場所だった。