無意識にゆっくりと目を開けると、目が眩むほどの光がわたしを襲った。
わたしはようやく自分が寝ていたことに気付き、体を起こす。
よく昼寝をしたあとに襲われる独特のだるさは、わたしを不愉快にさせた。

さっきのはただの夢か、とわたしは小さく肩を落とした。
思い出すだけでも溜め息が出るわたしの逸話は、だるさ以上にわたしを不愉快にさせる。

意識がはっきりしていくに連れ、わたしが眠る前の状況を思い出していった。
急いで自分の状態を確認すると、手が後ろの方で縛られているほかは何もされていない。

わたしは周りにあのサングラスの奴等がいないことを確認すると、隣で眠っている舞香に声をかけてみた。

「舞香。ねえ、舞香」

舞香はしばらくの間むにゃむにゃと言葉を濁していたが、手を縛られたことに気付いたのか、驚くような速さで起き上がった。

「……え、なにこれ……動けな……」

驚いたように目を見開かせ、自分の姿とあたしの姿を見比べる舞香。
ひどく混乱している舞香に、わたしは静かに呟いた。

「やだっ……ねえ、なにこれ……!」
「分からない……だけど、わたしたちが捕らわれているってことだけは確か」

舞香は混乱しながらも色々なことを考えているようだったが、しばらく経つと納得したように小さく溜め息をついた。
そんな溜め息一つで済ませられるかと思ったが、舞香は済ませられるらしい。