中はテレビで見たことのある医療器具、それから簡易ベッドが置いてあった。
わたしはスーツの人に従ってベッドに寝かされ、バンドで体をベッドに縛り付けられた。

これからなにをされるか。
そんなもの想像したくもなかった。

わたしの震えがもっとひどいものに変わったとき、白衣を着用した杉村がバラックの中に入ってきた。

「柳川更沙さんですね」

口ではうまく呂律が回らないため、わたしはこくりと頷いた。
すると杉村はにこりと微笑んで、口を開いた。

「一言で言って、可哀想な子、でしょうかね」

いきなり何を言い出すのだろう、この男は。
わたしは驚いて目を真ん丸くしたけれど、杉村は気にする様子もなく言葉を続けた。