最初は二十八人いた。
だけどその内の二十四人が死んだ。

巨大な体育館に残された、わたしたち四人。

生きる気力なんてなかった。
だって今日でこの命は尽きてしまうんですもの。

前みたいに「あいつらに殺されるなら自殺するわ」という人はいなかった。
無駄な抵抗をすることも忘れていた。

杉村たちが来るまでの数十分、わたしたちは一定の距離を保ち、だけどある程度近付いて、だらりと寝ていた。
わたしは仰向けの状態で、窓から見える空を見ていた。

たまに、青い空に鳥が現れる。
広い空を自由に飛ぶ鳥。

ああ、のんきだな。
ああ、平和だな。

外の世界はこんなにも平和なのに。
わたしは今日で死ぬなんて、嘘みたい。