しばらくして、桧野がパンを二袋持って近寄ってきた。
そして無造作に片方のパンをこちらに投げた。
「ほらよ、夕飯持ってきたぜ」
その姿が、舞香と重なる。
わたしがミヅキの死を悲しんでいると、優しい言葉をかけて、わたしを励ましてくれた。
いつも、人に頼りっぱなし。
だけど恩も返さず見殺しにする。
そんな自分が、大嫌い。
「……いらない」
「食べないと死ぬぞ、柳川」
そう言って優しくわたしの頭を撫でた。
安心する。
だけどその安心がわたしにとっては敵なのだ。
「やめてよ」
わたしは桧野の手を振り払った。
甘えちゃ駄目なんだ。
甘えるから、わたしはいつまで経っても人に頼りっぱなしで、自立できないんだ。
そして無造作に片方のパンをこちらに投げた。
「ほらよ、夕飯持ってきたぜ」
その姿が、舞香と重なる。
わたしがミヅキの死を悲しんでいると、優しい言葉をかけて、わたしを励ましてくれた。
いつも、人に頼りっぱなし。
だけど恩も返さず見殺しにする。
そんな自分が、大嫌い。
「……いらない」
「食べないと死ぬぞ、柳川」
そう言って優しくわたしの頭を撫でた。
安心する。
だけどその安心がわたしにとっては敵なのだ。
「やめてよ」
わたしは桧野の手を振り払った。
甘えちゃ駄目なんだ。
甘えるから、わたしはいつまで経っても人に頼りっぱなしで、自立できないんだ。


