朝。
聞き慣れた単語。
意図の分からぬその質問に、ああそうだねと一応相槌とうってみる。
すると高屋くんは驚いたように目を丸くしてこちらを見つめてきた。
はて、何のことか。
わたしは何も言わず目でそう訴えた。
「柳川、お前馬鹿か。いつもと違うって分からないのか」
少し小ばかにしたような口調で、目線を上に向ける高屋くん。
上に何かあるのかとその視線を追ってみると――
「……あ」
――そこには空があった。
ガラス越しだけど、確かにその存在が分かった。
窓のカーテンは除けられ、温かな太陽の日差しがやんわりと体育館を包んでいた。
「久しぶりだな。日光浴びるの。なんか……懐かしい」
「本当だ……。わたし、全然気付かなかったよ」
懐かしいお日様の匂い。
清々しい凛とした空気。
真上を向きながら、ぎゅっと毛布を抱き締めた。
聞き慣れた単語。
意図の分からぬその質問に、ああそうだねと一応相槌とうってみる。
すると高屋くんは驚いたように目を丸くしてこちらを見つめてきた。
はて、何のことか。
わたしは何も言わず目でそう訴えた。
「柳川、お前馬鹿か。いつもと違うって分からないのか」
少し小ばかにしたような口調で、目線を上に向ける高屋くん。
上に何かあるのかとその視線を追ってみると――
「……あ」
――そこには空があった。
ガラス越しだけど、確かにその存在が分かった。
窓のカーテンは除けられ、温かな太陽の日差しがやんわりと体育館を包んでいた。
「久しぶりだな。日光浴びるの。なんか……懐かしい」
「本当だ……。わたし、全然気付かなかったよ」
懐かしいお日様の匂い。
清々しい凛とした空気。
真上を向きながら、ぎゅっと毛布を抱き締めた。


