「死にたくないんだ……嫌なんだ。怖いんだ。もう……嫌なんだよ!」

嗚咽交じりに叫ぶそれらの言葉は、桧野の本音なんだろうか。

「死にたくない……死にたくない……もう、嫌だ……」

うわ言のように呟く桧野を見て、もう驚きなんてものは消え去っていた。

わたし、否、わたしたちは忘れていたのだ。
桧野だってまだ十五歳の少年で、わたしたちと同じ人間だということを。

こんな状況に陥っても、先生の次に桧野がわたしたちをまとめて、頑張ろうと励ましてくれた。
桧野だって、辛いはずなのに。