帰り道。
まだ帰らない!と騒ぐ彼を何とか説得し、今日は少し早めに練習を切り上げる。
「ったく、大丈夫だって言ってんのに!」
「…でも、」
「わ、わかってるよ!」
果歩先輩の頼みだしな、と呟く彼はどこか不機嫌。
いつも堂々としてるのにな。
私、また彼の癪にさわるような事を言ったのかも。
じゃあ…、謝った方がいいの?
でも、怒ってる理由がわからない…。
「じゃ、果歩先輩。また明日」
「…うん。またね」
私の家は、練習してる公園から歩いて1分程で着く。
窓から練習を眺めていたくらいだもん、本当は送ってくれなくてもいいのに。
でも、彼は何故か毎日私を家の前まで送ってくれる。
「あ、そうだ」
帰ろうとしていた彼が、不意に立ち止まる。

