その視線に気付かないフリをして、あたしは黙々とシュートを続ける。
パスッ
パスッ
連続で10回くらいレインアップをすると、彼がこちらに歩いてきているのに気がついてシュートを止める。
いつになく真剣な表情の彼が口を開く。
「果歩先輩。ちょっと、変わってくれ」
「…あと1回だけ。貴方のシュートをして終わるから」
「俺の?」
コクリと頷き、彼の一向に変化しないシュートをしてみる。
──思いっきり飛び、手を少し曲げながらボールをゴールへ運ぶ。
──ガンッ
ボールはゴールに吸い込まれることなく、跳ね返って地面に落ちる。
(私のと比較して、何かを気付いてくれたらいいんだけど…)
チラリと彼を見てみる。
(…あれ?)
「……嘘だろ…?」
表情は、悲しいを通り越して呆れている。
な、なんか…凄くショックを受けてるんだけど…。
「…果歩先輩、俺…。いつもこんなグダクダだったわけ?」
「えっーと…うん」
「そりゃー、一向に上手くなんないわけだ」
あたしが肯定すると、彼は見ていてわかるくらい落ち込み、ため息を吐いた。

