彼みたいなタイプに、手っ取り早く教えられる方法…それは。
「…ちょっとボール貸して?」
「ん?あぁ、いいよ」
「…ありがと」
彼からボールを受け取り、ボールをクルクルッて回してみたんだけど…。
ボトッ
「あ…」
「っはは!果歩先輩、上手く回せないの?」
あっけなく、すぐに私の手から離れていったボールを見て彼が笑う。
なんだか彼に指摘されるのは嫌で、ムッとしてしまう。
「…すぐに上手くなるもん」
「コツ、教えてあげようか?」
「や、いい」
クルクル回すのを止めて、ボールを持って公園の真ん中へ歩く。
彼が不思議そうな顔をしているけれど、それは置いといて。
(…参考に、なりますように)
そう願って、ダムダムとその場でドリブルをし、ゴールに向かって走る。
そして、膝を意識しながら力を入れずに、勢いに任せてボールを中に入れる。
─パスッ
綺麗にレインアップが決まり、横目で彼を見ると…食い入るように私を見ていることに気付いた。

