彼はルンルンと踊り出しそうなくらい、ニコニコしながらポケットに手を入れる。
「よしっ!んじゃ、早速連絡先交換しよう…って、ああっ!!」
「……?」
言いかけた言葉を止め、私の顔を見ながら気まずそうにする彼を見て、首を傾ける。
…なんだろ?
何か忘れ物でもしたのかな?
だけど、返ってきた言葉は、あまりにも意外な言葉で。
「──あんたの名前、聞くの忘れてた…っ!!」
「……、プッ」
吹き出しそうなのを、必死で堪える私。
だって、だって。
そんなこと、気にしなくてもいいのに、必死になって慌てている彼が可愛くて。
「あはははっ」
「わ、笑うなーっ」
我慢できずに、笑ってしまった。
もう、なんなの?
しっかりしてると思ってたけど、意外と天然なのかな。

