やっぱり、ボールを回すことだけは彼のほうが上手いな、なんて。
ほんと、ボールを回すことだけなんだけどね。私より上手いの。
手から落ちたボールを拾うと、下に顔を伏せている彼に向かって、ボールを勢いよく投げた。
彼が、私にしてくれたように。
──ヒュッ!
「─っぶね!なにすんだよ!?」
間一髪のところで、ボールをキャッチした。
いきなり投げつけてきた私を、少しうざったく思ってるみたい。
だけど、私にも言いたいことはある。
「……らしくない」
「は?」
らしくない。彼のクセに。
私が知っている彼は、……沢木翔平は。
短気で、がむしゃらで。
優しくて…。
バスケットが大好き、なことぐらいしか知らない。

