彼は私から1本を取るためにシュート練習を始めたから、クルリと背を向ける。
私の家は公園からすぐだけど、この公園は私の部屋からじゃないと見えないの。
確かに他にも窓はあるんだけど…それは、まあ…いろいろとワケがあるんだ。
──ガチャッ……
家に着き、なるべく静かに扉を開けると、お母さんの靴はもちろんまだある。
「………」
それを見ないようにして、最近全く履いていなかったシューズを出す。
オレンジを基調とした爽やかなシューズで、斜めに白のラインが入っている、お気に入りのシューズだった。
「……よし」
久しぶりのバスケ。
履き慣れたシューズ。
まだ何も知らない、彼。
今日だけ、と馬鹿な私。

