「わ、私…誰かに教えれる程上手くないので」
だから、無理です。と言おうとしたのに、彼はまた私の言葉を遮って話し続ける。
さっきまでニコニコと笑っていたのに、焦っているのか…今までに見たことがないくらい真剣な目をしていて。
ときめいているわけでもないのに、胸の辺りがドキッとしていた。
「なぁ、頼むよ。あんたしかいないんだ。バスケ教えてくれっ!」
「だから、無理です」
「それじゃ、今から1on1してあんたからシュート1本でも取れたら教えてくれるか?」
「え!?」
「よし、やろうぜ!」
ボールを回す手を止め、彼はドリブルをして公園の真ん中へ走っていく。
え、誰もやるとか言ってないんだけど…。
それに、私…焦って出てきたからサンダルだし。
やる、んだったら…勝ちたいし。
家へ帰って、靴に履き替えてこようかな。

