あれは……。

(バスケットボール…)


近付いて、恐る恐るそれに手を伸ばす。

持つと懐かしい感じが蘇る。


キョロキョロと辺りを見渡して誰もいないことを確認すると、私は駆け出した。


ドリブルをダンダンッとして素早くゴール下へ走る。

その勢いで、レインアップを決める。


パスッといい音が鳴ると、ゴールから落ちてきたボールをキャッチし、公園の真ん中くらいまで戻り、スリーポイントの辺りからシュートを放つ。


パスッ……!



「やったあ…!」


あまりにも嬉しくて、ガッツポーズ。

ダンダンとドリブルをしていると、後ろから聞き覚えのある声が聞こえた。



「─…すげぇ…」