起きたら有栖がいた。 さっきまでの人を試すような挑戦的な目じゃなくて。 優しく、私を包み込むような眼をしていた。 蓮樹のことを、冷たく聞いてきた時も。 冷たいのは声だけで、眼はずっと優しいまんまだった。 その時、私はこう思ったんだけっけ。 あぁ、有栖はやっぱ、こういう人だったんだ。 ってね。