病室にいるお兄ちゃんに、寝ているお兄ちゃんに駆け寄りそうになったときもあった。 けどやっぱ、これは有栖に聞かなきゃいけないって思って、いつも、我慢してたんだ。 いや、怖かったんだ。 有栖が私を、恨んでるかもしれなかったから。 なにがあったかは知らないけど、有栖は私の記憶喪失の件に絡んでる気がした。 だから、 怖くて聞けなかったんだよ。