クリュさんとまったく同じそのポジションが、あの時のあの場面を思い起こす。

違いといえば、今が月明かりでなくさんさんと降り注ぐお日様の光の下であることと、

目の前の人がクリュさんでなくてクロだということ。

「セルがしょっちゅうクロクロってついて回ってくるから、安心してたんだ。

なにかと俺のこと気にかけては笑ってくれるから、油断してたんだ。

今思えば、あれは慕ってくれてただけなのかもな。

その時から兄貴分だったのかなあ、俺」

さっきから何の話か分からないんだけど…。

「あー何弱気になってんだ!もう言うって決めたんだ」

クロは自分に気合いを入れて奮い立たせているように見えた。