私がどうぞと言って開いたドア。

そこには今最も会いたくないクリュさんがいた。

「あ、さっきのこと怒ってるなら…」

「別に怒ってないけど?」

いつも通りのクリュさんが淡々と答える。

ってことは別件?

「お前が今日撃たれそうになった時さ、ピーって音しただろ?あれ何?」

クリュさんが部屋の入り口にもたれかかり、自分の両腕を組んだ。

「ああ。笛を吹いたの」

「なんで?」

…なんで?なんでだろっ…。

「死ぬんだな私って思ったら、吹いたことない笛の音色が気になって…かな?」

無理矢理理由をつけるとしたらこうだけど、随分と変。

「あの音がした瞬間にお前とインペラートルの間を急降下していった機体さ、」