冬に降る涙の雨。



せっかくカナちゃんが頑張ってくれたけど、私にはそれより大事なことが分かったから。


車に乗り込んでから、心に深く誓っているとカナちゃんが戻って来た。

「ごめん、遅くなったかな?」
「そんなことないよ。」

ダメだ。
今、絶対にちゃんと笑えてなかった。

「どうか、した…?」

シートベルトをしながら、私の顔をのぞくように見つめるカナちゃん。


今、言うべきだよね。

今しか、ないよね。


私は意を決してカナちゃんの顔を見据えた。

「……?」
小首を傾げるカナちゃん。

話、聞かれてたとは、思わないよね。
ごめんねカナちゃん。

心の中でカナちゃんに一度謝り、私は話をはじめた。


「学校……行きたくないっ」

「え……?」





カナちゃんの戸惑っている声が、静かな車内に響いた。