冬に降る涙の雨。



だけど、それは出来ない。

“学校”は、“高校”は、お母さんの夢だから。

昔から病弱で、よく入退院を繰り返していたお母さんは高校にいけなかったらしい。
勉強だって、たくさんしたのにダメだった。

中学までとは違った楽しみを、待ち望んでいたお母さんに、楽しいスクールライフは待ってなくて。


そんなお母さんを支えたのが、幼なじみだった父さん。


お母さんは、父さんから学校の話を聞く度に胸を踊らしていたそう。


そして、父さんと結婚して……私を産んでくれて。


お母さんは“中卒で働く”と言う私にいつも話してくれた。

《高校は、母さんの夢なの。だから、まことには高校生活を楽しんで欲しいなぁ》



だから、たとえ楽しめなくても頑張るんだ。

お母さんとの、約束だから。
お母さんの、夢だから。