冬に降る涙の雨。



「なぁ、明日、どーする?」

突然、カナちゃんが箸を置いて話し出す。……だけど、何の話かサッパリだ。

「え、何が…?」
私の目が、点になる。

「何がって……」
呆れたように笑うカナちゃん。
いやいや、マジで分からないんだけど。

「……学校、行くよね?」

おずおずと尋ねるカナちゃん。


“学校、行くよね?”


私は一瞬躊躇った。
そっか、そうだよね……
私、学校に行かなきゃいけないんじゃん。

この家にいること、当たり前になってた。
たった2日間、ここで過ごして、それだけで、こんな毎日が続くと思ってしまった。

「……行くよ。」
やっと出た答えがこの一言。

本当は行きたくない。
ただ、座ってるだけの学校なんて。
何もなく、ただ過ぎていく毎日。

………学校は、怖い。
友だちなんていなくて、1人で……独りだった。

私にとって学校は、苦痛でしかない。

“行きたくない”
そう言ってカナちゃんに縋りたい。