はちみつがおちる

side 翔
はー。俺はため息をついてた。
今日街であんな可愛い子に会うなんてびっくりした。
「可愛かったな~」
仁が言ってる。
「だよなだよな!やっぱ蘭ちゃん一番可愛い」
「なのに恋愛経験ないってすごくね?絶対モテるだろ」
「俺蘭ちゃんと付き合いてー」
「ほんと可愛いよな」
え?なになに?
こいつら(蓮のけて)みんな蘭が好きなわけ?
はぁ?俺が先に見つけたんだぞ?
誰にも渡さねー。
「ダメ」
いつに間にかそう叫んでた。
やっべ。こいつら驚いてる。
「翔、お前も蘭ちゃんが好きなのか?」
仁が調子に乗って聞いてくる。
「は?悪いかよ」
いつもはそんなにすぐみんなに好きなやつとか言わない俺だけど。
蘭の事になると、話は別!
こいつらみんな積極的だからな。
「仁、お前よけいなこと言うなよ。
翔もそんなに切れんな」
慌てて陸がとめに入ったがもう遅い。
俺の怒りは今にも爆発しそうな勢いだ。
「そういうお前も女嫌いなんじゃなかったっけ?
なのになんで好きなんだよ。意味分かんねー」
「い、いや別に・・・。蘭ちゃんは他の女とは違う気がしたから」
「あ?女なんてみんな一緒だよ」
俺の声は近所まで響いた。
「あっ。蘭ちゃんからの返信~」
返信?!っていつのまに交換してたんだよ。
「お前蘭と交換したのか?」
「うん、したよ?ついさっきね」
こいつ、はえー。すること全部はえーんだよ。
「ふ~ん、あっそ」
「翔もいるの?今なら蘭ちゃんのアドレス限定二名様まで教えちゃいまーす」
{{{{はい}}}}
四人の声が同時に響いた。
「んなら・・・仁と陸に!」
そんなことを言う昴の腕を掴んだ。
「俺にもくれよ」
「わ、わかったから、みんなにあげるからな?」
昴にアドレスを送らせて、家に帰った。
みんなってなんだよ・・・。
関係ない蓮までさー。
実乃莉ってやつならいらないだろ?
そう思いながら俺は携帯を開いた。