そんな事を思っていると、
現実に戻された。

見ると、翔が私の腕を掴んだ。
「こいつは俺のだから。俺の隣なの」
え・・・。何言ってるの?
「そんな顔で見んなよ」
って・・・?意味が分からないや。
「どんな顔?」
聞いてみると、翔が顔を逸らした。
「蘭ちゃんが可愛い顔してたから、翔は照れてんの」
仁君が横から言ってきた。
「え・・・。私可愛くないから。翔違うよね?」
「うっせ」
顔真っ赤にしながら言ってる、翔。
「可愛い・・・」
心で思ったことが口に出てた。
やば・・・。
「翔可愛いだって」
仁君が笑ってる・・・。
「行くぞ!」
そう言って私の腕を掴んで反対の席に連れて行った。
怒ってるのかな?
やだなー。会話がないと絶対に翔楽しくないはず・・・。
うううう・・・。
目に涙が溜まってきた。
それに気づいた翔は・・・
「ど、どした?」
焦ってる。困らせてるなんて最低だ・・・。
「何にもないよ?」
平気なふりをして言うと・・・。
「嘘つくな」
ちょっと怒った感じで言う翔。
「う・・・う・・・」
涙が止まらない。
「怒ってないから。言うことあるなら言ってみ?な?俺には何でも話してな?」
優しい翔に私は、泣きながら言った。
「翔怒ってるのかなって・・・。う・・・。
翔といっぱい話したくて・・・」
そう言うと翔は真っ赤になった。
「おま・・・。可愛すぎ」
て、照れてる?
「にひゃ」
思わず変な声出しちゃった・・・。
「変なこえだすんじゃねーよ。俺だってかなり限界きてるんだから」
「な・・・。限界?翔どっか悪いの?」
心配で見上げてると・・・。
「はぁー」
なんだため息なんか・・・。

すると・・・
「おまえなー」
翔の声と同時に
「蘭ちゃん~と翔、こっち来て自己紹介しよ?」
「うん。今いくね」
こたえて、行こうとしたら
「待ってよ・・・。
俺を置いてくき?」
えーーー。そんな可愛い顔。
「なら一緒に行こ?」
「連れてって」
なんてことを・・・。
「なら行くよ!」
あんまり顔を見ずに、手を引っ張って行った!

まさかそこで翔があんなことするなんて・・・。