神崎クンを怒らせた。

 非常にヤバイぞ。

 皆の王子様神崎クンを。


 大変居た堪れなくなった私は盛大に笑った挙げ句その場から逃走をはかった。

「……し、しし失礼しました!」
「あ、ちょっと……!」



 神崎クンの制止も聞かず、私は光の速さで土下座し教室を飛び出した。


 ……うん、普通に逃走した。
 どうしよう明日が怖い。
 ああもう。
 何でこんな事になってしまったのだろうか。私のせい?
 いや悪さはフィフティーフィフティーだろう。





 ……帰ったらモンハンやろう。



 長い影が作られ始めたオレンジの廊下に、不安に苛まれながらも私はパタパタと足音を落としていった。