顔の距離がもっと近付いて、奏君の甘い香りが私を包む。 とくんとくんと言っていた心臓がだんだんうるさくなって、奏君も分かるんじゃないかと思うくらいバクバクしはじめた。 近い。近い……!! 「か、奏君っ!」 「ん」 「な、なななにする気ですか」 「何してほしい?」 奏君は妖艶にクスリと微笑む。すると柔らかく甘い吐息が私の顔にかかった。これが魔界のプリンスかと妙に納得してしまう。 その吐息に思わずビクリと震えると奏君は笑みを濃くし、唇を近付けてきた。 あ、やばい、き、きすされる……!!?